学校の文化 担任の先生より

997)特別支援学校 右から左へ受け流す

特別支援学校の教員では、担任(または副担)があり、その担任は自分の学級の運営だけでなく、学年の運営、学部の運営、学校全体の運営にかかわります。

子どもとのふれ合いと、学び合いの空間が楽しくて、やりがいがある!というのが大好きな先生は、学級経営や学級・学年の指導に熱心で、やりがいを感じています。

しかし、以前のブログで書いたように、教員は子どもの指導に熱心な専門家の顔ばかりではいられません。学校を経営するための教育課程や生活指導、保健関係、研究、情報機器、などの校務分掌の仕事も、子どもが通う学校をまわしていく役割も同時に担っています。

校務分掌の仕事は、各学年の先生にそれぞれ割り当てられ、「このように運営します」という学校の決定事項が各学年、各教員にいきわたり、周知され、運営ベースにのるようにしています。

【分掌の分担例】
小学部3年生の教員(計6名)

3年1組の先生2名 A先生は生活指導部、B先生は教務部
3年2組の先生2名 C先生は研究部、D先生は総務部
3年3組の先生1名 E先生は保健部
3年4組の先生1名 F先生はスクールバス部

みたいな感じです。

数年にわたって、同じ分掌に属する人もいれば、単年であちこちの分掌にかわる人もいます。

まるで役所の窓口みたいです。「その部署の担当だからできるだろ、責任もってやってね」と言われ、新年度スタートから言われても、「いえ、担当になったけれども、初めての部署で、運営も仕事の概要もよく分からないんです…」なんてことはよくある話です。

なので、各分掌の部署は、複数年の経験のある人をある程度残して、大幅な戦力ダウンを避けるか、仕事の全容が分かるリーダーを据えて、効率良い仕事分担とリーダシップで運営していくパターンがあります。

例えばですが、3年2組のC先生は、研究の仕事は初めてで、分掌の会議では「今年度の研修会の分担を…」とか、「学年の研究の流れについて」などの説明はありますが、「HOW(どのように)」は細かく説明してくれる訳ではありません。そのまま放置していると、自分がやるべき仕事をほったらかしにすることになります。

そうならないために、同じ分掌に属する隣の学年のO先生や、昨年研究部にいたという同じ学年のE先生に進め方を聞いて、分掌の仕事の流れにのることができるようにもがくのです。(1年やれば、この分掌はこんな感じで1年過ごすのか…という、おおまかな見通しがもてるようになります。)

【問い合わせ】
分掌に属していると、同じ学年の先生や、隣の学年の先生から問い合わせが来ることがあります。

例えば、生活指導部の場合、「次回の避難訓練の避難場所と、並び順はどうでしたっけ?」と聞かれた場合、生活指導部にいるということで、生活指導部のデータから決定事項を確認したり、概要を把握している避難訓練担当に問い合わせたりして、その分掌担当(窓口)としての役割を果たします。

【受け流す】
先日あったのは、「それは私には分かりません、〇〇先生に聞いてください」と調べもせず、問い合わせもせず、確認する仕事を他の先生に受け流してしまった初任の先生がおりまして…。

問い合わせてきた先生には、「申し訳ありませんが、〇学部の生活指導担当は、あの先生(初任)なので、本人が確認して、お返事するようにしてください」とお願いしつつ、仕事の進め方を知り、自分の役割をどのように果たすか経験するためにも、自分で聞きながら、確認しながら対応してくださいと指導しました。

ま、それ以前に、自分が受けるべき仕事を先輩に投げつけてくるだけでも、充分失礼だと思いましたが…。