学校の文化 担任の先生より

1008)特別支援学校 元担任として…言っちゃった

先日、何年か前に担任していた生徒を校内でみかけました。

基本的に、元担任であっても、現在の担任の先生の指導方針や価値観、体力や力量の範疇、支援体制のなかでやっているのだから、安易に口を出すべきでないというのが持論です。

しかし、「え?本当に大丈夫?」と思える場面に遭遇したとき、どうすればいいのでしょうか?

【子どもの実態】
立位・歩行は数分程度可。
下肢は屈曲優位で、立位・歩行時に下肢を後方(伸展方向)に蹴る動きはない。
立位時はカカトに重心がのらず、膝とつま先で自重を受け止めている。
視覚刺激を統合することが難しく、自分で安全確認することがやや難しい。
知的障害あり。

このような実態なので、私は移動について、車いすと、平地、階段(上り)、緩やかなスロープの歩行(上り下り)しか行っていませんでした。

現在は身長が伸び、骨格ができあがってきており、大人の体つきになってきています。

視覚情報の処理、身体機能面、運動面についての評価はできていないので、なんとも分かりません。

【見たもの】
階段を下りていました。

教員(担任ではない)は後方というか、階段の上方についていました。
手すりはもっていましたが、どこまで使いこなせるかは分かりません。

担任をしていたとき、手すりを使うことを教えましたが定着するまでは至りませんでした。

階段の下りって、難しいです。足をつっぱる・まげて踏ん張るだけでなく、伸ばすと曲げるの中間をとれることが必要ですし、次のステップに足が乗せられることが必要です。手すりや介助を活用してでも重心を支持基底面から離れすぎないようにする必要があります。(でないと、階段から落ちる)

【言ってみた】
今の担任の先生に、「階段を下りていたけれど、大丈夫?」と声をかけてみました。

上記のように、大丈夫だろうかというモヤモヤがあり、誤解があってやっているなら大事故になる可能性があります。

担任の先生は「PTの先生(理学療法士)にも見てもらって、階段の下りもやっていいとのことでしたので」とのことでした。そうなのか、これができると言われるまで成長したのかと思いつつ、いや、それはPTが見た日の状態がたまたま良かったか、説明しきれていない専門的な支援を伴ってできた、という可能性もあります。

それでも、専門家の助言・指導が行われ、それに則ってやっていると言われれば、私の出番はありません。お気をつけてと引き下がります。

元担任が口を出すときは、余程自分のしていたことを否定されたくないか、現担任より自分のほうがいい指導ができると思っているか、現担任より自分のほうが立場が上で逆らわないだろうと思っているか、それによって人間関係がギクシャクする懸念がないか、大きな見落としがあると思った時だと思います。

とにかく「お互いの教育観を尊重し、互いに干渉しない」が職員室文化です。