担任の先生より

1013)特別支援学校 下校方法(帰り方)を間違えない

児童生徒が学校に登校してきます。

登校してくるということは、下校もするということです。

下校の方法について、児童生徒によって、日によって、曜日によって、家庭の事情等によって変わります。その情報をどう収集し、どう反映し、下校指導につなげるか、の話になります。

【下校の方法について】
下校の方法について、自主通学をしているなら子どもが自分で校門を出て、公共交通機関の利用や徒歩によって帰っていきます。

何らかの送迎を必要とする児童生徒の場合、登校と同様にスクールバスに乗って決められたバス停留所でおりる、保護者の送迎、放課後活動の送迎者に引き渡す、ショートスティの送迎者に引き渡す、といったことが多いです。

これらの下校方法は、日々の連絡帳で「今日これで帰ります」みたいな記入欄に書いてもらうことが基本で、事前に分かっている場合は連絡帳の備考欄などに書いて知らせてもらうことになっています。

不測の事態など、急な変更の場合は、学校に電話がかかってくることがあります。中には、うちは月曜日はスクールバスで、火曜日は放課後デイの〇〇で…と決まっているから、逐一連絡帳に書かなくていいでしょ、みたいな御家庭もありますが、そこは曲げて書いてもらう、知らせてもらうようにしています。

なぜかというと
①いつものルーティンを知っている教員が不在で、応援で入った先生が下校指導することがある

②下校は言わなくてもいい、ということだけが頭に残っていて、保護者が急な変更を伝え忘れることがある

③空欄を見た先生が、特に行事や児童生徒の体調不良があったとき、本当にルーテイン通りだと判断していいのか?と不安になることがある。

【間違えない工夫】
連絡帳に下校方法が書いてあるとして、学級の先生が下校方法を頭に入れて、下校時に引き渡すこともありましたが、学校の靴箱のところで失念してしまう、思い違いをしてしまうことがあり、スクールバスに乗せるべき子どもを乗せなかった、スクールバスでなく放課後デイサービスを利用する子なのにバスに乗せちゃった、というミスが起こったことがありました。

人間は間違うものだ

「あってはいけない」と思っても、人間は間違うものです。そのため、それを前提にして、学校が変わっても確認する工夫をしています。

顔写真と、下校先のカードをマッチングさせたものを引き渡し場所に近いところに置く、終わったらカードを貼ったボードを回収し、その日の下校先のカードを外す、という流れです。

これなら、連絡帳で示された内容を視覚的に確認でき、一人ずつ確認しながら下校させることができます。突然応援に入った先生も、誰がどこに行くのか簡単に知ることができます。

近年、下校ひとつとっても教員がやるべきと決められたタスクが増加しているように思います。指摘を受けた、間違いがおきた、こんなとき学校のルールが増えていきます。そのため、目の前の児童生徒の指導について、混乱しないようなシンプルで分かりやすい仕組みが必要なのです。こういった配慮や工夫について、OTは得意なのではと思います。

校内のきめごとが複雑であっても、学級や学年などの指導などは担任の先生の裁量でできることが多いです。合理化し、効率的で効果的な取り組みをつくる能力は、ここで作られ、磨かれるものと思います。