担任の先生より

1069)特別支援学校 子どものケガ

スッテーンと、廊下を歩いていた子どもが転倒しました

歩行については、様々な機能や要因などがからみあいます。大人だって「こんなところで、なぜ?」ということで転ぶことがあり、子どもも例外ではありません。

子どもの頬からは血が出ています。

さて、教員としてその場にいるあなたは、どうするべきでしょうか?

マニュアルなどがあっても、いざその場にいると、身動きがとれないものです。しかし、あなたは判断力と決断力を駆使して、行動にでました…。

【はじめにすること】
・子どもの観察(すぐに動かさない)
・周囲の状況確認

この二つだと思います。1対1でその子についていたのなら、すぐに動き始めますが、3~4人などの子どもを連れていたときは、あとの児童生徒の安全確保も行わなければなりません。

事後も含めた組織的対応のため、教頭先生などの管理職に真っ先に連絡しましょう、みたいなこともありますが、事態が複雑にならないために「場を落ち着かせて動く」のが優先だと思います。

子どもは「痛い」と言って座り込みました。

とりあえず、現時点では重篤な意識障害などは出ていないな…などと考えつつ、周囲に他の教員がいるか見回します。周囲に他の教員はおらず、内線電話も近くになければ、子どもを置いて単身で応援を呼びに行くことは得策ではありません。誰も見ていないところで容体が変わったり、一緒にいた子どもたちが遊出したりする可能性があるからです。

かといって、通常学校であったような、同級生に保健室までいってもらうことも難しいです。(迷ってしまう、更に転倒してしまう、行ったはいいが伝えられない、などが想定される)

どうしようもなければ、転倒した子どもを落ち着かせながら抱っこして、同行していた子どもたちに「一緒に保健室に行くからついておいで」などと説明して、後からついてくるよう指示します。

他の先生がいたら、状況説明できる先生なら保健室に走ってもらいます。反対に、アワアワしていて依頼が難しそうなら、転倒した子どもの状況を観察して欲しいと伝えながら、同行していた子どもたちを廊下の壁に沿って座るよう指示して、対応に走るのが得策だと思います。

【事故の初期対応】
何をしなければならないか、をおさえることが大事ですが、マニュアル通りにいかない環境におかれることも、当然あります。そんなとき、手詰まりになりそうになりますが、「今を落ち着かせて」、「穴があかないように、解決に向けて前に進む」が大事だと思います。

それをしていれば、おのずとマニュアルに沿うようになってきますし、後になって「こうすべきだったね」というネガティブなリスクを背負う確率が下がります。

初動に大きなミスがなく、組織的対応(保健室などがまとまって協力する)できるレールに乗れば、後は一人で抱え込まなくてよくなります。