学校の文化 担任の先生より

1126)特別支援学校 担任と副担任の役割分担

担任の先生は学級の方針や方向性を提示すること、そこに安定的にいる存在なので、あちこちウロウロし過ぎない。

副担任の先生は、学級等が動いていくなかで、想定できるリスクや必要なことを察知して準備する、担任が不在になったときは、すぐに学級の核になって集団がグラつかないようにする。

などについて、以前書きましたが、先回のような方が副担任だった場合、この関係を維持することは難しいなと思いました。

【相互補完が難しい】
副担任が残念過ぎると、学級経営の運営(リスク管理を含む)と結果責任が全て主担任になり、副担任はあてがわれた役割をその場その場で言われた通りにこなすだけになるので、連携協力の関係やバランスが極めていびつなものになってしまいます。

主担任からすれば、すべて自分が管理したほうが安心、副担任の自己判断に任せて大きなミスを起こされるのはたまらない、適切に仕事をしているかチェックすることに追われるのは負担が大きすぎる、と思うでしょう。

副担任からすれば、全体がどうなっているか分からないし、主担任の考えていることが全て分かる訳がないので、言われたことをして、その場その場をやり過ごせばいいと考えるかもしれません。しかし、これをやっていると、学年や学級の流れを把握して動くことが見えないし、分からないし、判断する機会を失うことになります。こうなると、教員としての知識・技能は身に付かず、できない先生というレッテルが定着してしまいます。

人材育成が必要とはいえ、今の時代は先生の言うこと為すこと、厳しい目にさらされているので、昔みたいに失敗しようがやってみな、が通用しませんし、失敗したときの主担任のダメージが大きすぎます。学級王国と言われようが、仕事を抱え込んでいると言われようが、守ってくれなければ、支えてくれなければ、やらなきゃ仕方ない(汗)。

【いくつかの対応方法】
ある先生は、どうしても、どうしようもない人が副担任だったとき、ほぼ全てを自分が背負って、副担任に清掃業務だけ定期的に、範囲と方法をきめて、一年間やってもらったそうです。

ある先生は、一日の流れのなかで無難にやってもらえそうな業務を学年全体の中から抽出し、それらを並べて、順にこなしてもらうようにしていました。例えば、朝のお迎えC組、排せつ介助はA組の〇〇さん、授業はHグループ、配膳の仕事…みたいな感じです。

これらをふまえて、どちらのケースも主担任の負担が大きすぎること、副担任の先生を学級経営からある意味除外していることが問題だと思いました。仕事が多くて複雑だ、結果責任を過剰に問い過ぎるなどの外部からの影響もありますが、それらはさておき、できることなら、主担任と副担任をいれかえてみたらどうかと思いました。

メリット・デメリットはそれぞれあるのですが、これまで全責任を背負ってきた主担が副担任になることで結果責任を逐一問われなくなります。主担任が「できない」ことが前提になるので、他への協力が得られやすくなり、協力してもらう計画を立てられるようになります。

これまで副担任で、言われたことしかしない状況だったとしても、主担任になることで、自分のことだけしていればいい訳ではないので、自覚を促し、目の前の仕事をどう解決していけばいいのか、誰に協力してもらわなければならないか考えることが求められるようになります。

【とはいえ】
とはいえ、この案は、「副担任がしっかりしていて、必要に応じてサポートできる状態が確保できていること」が前提です。以前から、新規採用者や経験の浅い先生に主担任の役割を与えて、「責任があるからしっかりしろ」と丸投げすることが問題として挙がっています。

今は、見て覚えろ、一緒にやるなかで身につけろ、聞いて理解しろ、が通用しなくなり、事前に枠組みや留意点、考える材料、責任の所在などが明らかでないと動かない(動けない)先生が増えています。それは、人の気質が変わっただけでなく、それくらい準備させてもらわないと難しい仕事が増えているからあと思います。

連携や協力関係が必要だと簡単に言いますが、そうはいかないときにどうするか、これについても対応できるノウハウや人間関係ができたらなーと思っています。