年末です。
週末には、多くの学校が終業式を迎えるのではないでしょうか。
この終業式と修了式、どちらも終わりを意味するので、たまに頭がこんがらがるのですが、終業式が学期の終わりで、年度の終わりが修了式になります。
よく、卒業式などで、「中学部の課程を修了したことを証する」って言うじゃないですか。毎年、学年ごとに設定された教育課程を修了していくことで、学年や学部があがっていくことになります。
【終業式】
終業式の2週くらい前に、終業式などの儀式的行事の要綱が先生のなかで出回ります。
そこには、日程、場所、時間(枠)、式でやること(順番に列挙)、どの学部がどこに並ぶかという案内図などが記載されています。それを見て、各学部の先生たちは、その日にどのタイミングで出発して、どこに並んで移動して、などの段取りをしていくのです。
肢体不自由の学部では、どの先生がどの子について責任をもってみるか確認します。とにかく、肢体不自由の学級には、看護師さんや介助員さん、保護者などの人たちが入り乱れるのですが、指導上の責任をもつのは教員だとされているので、「教員以外の〇〇さんに、お任せしまーす」なんてことはできないとされています。
移動時に誰がついて、誰が車いすを押して、どの並び方で式に参加するか考えます。
ついてくる看護師さんは、誰をカバーしているか確認して、複数の子どもを対象としているなら、Aちゃん、Bちゃんが一緒に移動しないと目が届かないよね、みたいな感じです。
会場には吸引機や呼吸器を動かすためにコンセントはいくつあって、どこにあるのか、についても配慮する必要があります。
知的障害の学部では、行事の前後に何をするか、時間割的な枠組みを考えます。とにかく、儀式的行事の日は、いつもの時間割にのって進まない特別(イレギュラー)な日ですから、予定をしっかりしないと、パニックを起こしたり、動けなくなったりする子がいるので、流れをしっかり考えます。場合によっては、数日前から「この日はこうなるよ、こうするよ」と刷り込んでいくこともあります。
これをしたら、次はこれ、この時には椅子を運びます、この後にトイレに行きます、みたいな行動のつながりを作っていくことにエネルギーを使います。
【教育活動】
儀式的行事も、通常の授業も教育活動として実施され、それぞれ目標設定がされています。
これについて、教員はみんなその目標のためにエネルギーの大半を使えているかといえば、そうでもないかもしれません。案外、その前後の段取りのために神経を使っていて、本番は「ヤレヤレひと段落した、あとは安全に過ごせますように」と思っていのかなと思います。
