学校の文化 担任の先生より OT・PT・ST

79)担任の先生(元作業療法士)がつくる、特別支援学校の授業~手を放す支援の方法~

こんにちは、雑賀孫市です。
今日も、実際に特別支援学校の授業で行っていることやったことを書いてみます。

前回、肢体不自由の学校では、物に触れたり、持ったり、持ったものを渡したりすることが難しい子どもが在籍しているので、腱固定作用を利用して物を運ぶ活動をしてみましょう、というお話をしました。 他にも活用できる場面はあるかなと思い、追加してみました。

【特別支援学校(知的)あるある】
先生や友だちの腕などを「ガシっ」とつかむ児童生徒がいて、爪がたつこともあります。
コミュニケーションを求める表現だったりしますが、あちこち傷だらけになっている先生がいます。 「離してください。」、「手をぱーに。」と冷静に伝えても、なかなか放してくれません。 腕をつかんで、何とか放してもらおうとひっぱったら、余計に力が入るみたいです。

【ここでも使える腱固定作用(けんこていさよう)】
握りを促すときは、手首を反らせる 放しを促すときは、手首を掌側に曲げる、でしたね。 放して欲しいので、手首を掌側に曲げて頂きましょう。 比較的早く放れます。

掌屈(しょうくつ):指を伸ばすよう促す

【支援は放れて終わりでない】
なぜ強固につかむことになったか(原因)、なぜつかむのか(意味)、放れた後どうなったか(経過観察)、 どうフォローするか(事後対応)について考えることで、好ましくない行動を落ち着けられるように対応する必要があります。

近年の動向から、教員が児童生徒に身体面で影響を与えるアプローチは体罰を想定させるものとして敬遠される向きがあります。かといって「私が受け止めればいいの。」と容認することも課題が残ると思います。なので、このようなケースは、ピンポイントで素早く収束させる方法を使うことも視野に入れるべきだと思うのです。

子どもの人生は、学校を卒業しても続くのですから。

http://magomago1.org/howtolearnmakinggroup202003/
前回のブログは「78)担任の先生(元作業療法士)がつくる、特別支援学校の授業~なかまあつめ~」でした。

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