こんにちは、雑賀孫市です。
今回は、安価にできる車椅子のカスタマイズについて書きます。 業界人なら誰でも知っていると思いきや、特別支援学校(肢体)で知らない先生が結構いたので、 知らなかったという方は、流行(?)に追いつけるよう参考にしてください。
【車椅子について】
まず、簡単に車椅子について説明します。
部分ごとに名前がついていますが、アームサポートとフットサポートは、以前「アームレスト」、「フットレスト」と呼ばれていました。どちらでも通じると思います。
【車椅子を見るポイント】
車椅子を見れば、どんな人が使っているか、およそ検討がつきます。
・ハンドリムの有無(手でハンドリムを回す自走式か、後方から押してもらう介助用か)
・背もたれの角度と長さ(倒れているほど、長いほど安定性重視)
・モールド型(体の曲線に合わせてはめこむ部品)なら、更に体のサポートを必要としています。 ・胸などのベルトの数や面積(大きいほど、ベルトに頼る必要があります)
・テーブルの有無、大きさ ・電動の有無(安全に操作できる力があると推測されます)
・スポークカバー(車輪の部分にはめ込む)の有無と、絵柄の有無。
などをみます。
【より自走しやすく】
自走する方はハンドリムに手をかけ、上体と腕を連動させて駆動させますが、ハンドリムはプラスチック的な素材でできているので、しっかり握るのが握力的にきつくなったり、摩擦が足りなくてすべったりすることがあります。(乾燥する冬はなおさらです)
これに対して
①ハンドリムに、「テニスのグリップテープ」を巻くことがあります。ゴム的で摩擦があり、力が発揮しやすいです。また、価格的に目が飛び出るようなものでないので、導入しやすいと思います。
②手袋をはめる:ゴム付きの手袋をはめる方もいます。ポチポチつきの軍手を使う人もいますし、ゴルフの手袋を愛用される方もいます。ただし、夏はムレるので注意です。
【楽にブレーキを使いたい】
太ももの外側のところに、レバー式のブレーキがあります。つかむところが小さくて、使いにくいという方はサランラップを使い終わったときに出現する筒をブレーキにかぶせていることがあります。着脱が容易で、非常に安価です。汚れたら交換するのも簡単です。ちなみに、この筒はデコることもできます。
【より便利で使いやすく】
車椅子はメガネのように実用性に加えて使いやすさや愛着などがあります。そのため、付属品などの取り扱いもユーザーの意見や困り感に沿う形で進められます。 「もっとよくならないか」、「ここが困っている」、そういうときに上記のようなアイディアを出して対応します。
http://magomago1.org/howtomakesmartphone202003/
前回のブログは、「81)担任の先生(元作業療法士)がつくる、特別支援学校の授業~スマホをつくろう~」です。
http://magomago1.org/83letsmakeeasyuseclassroom/
次は、「83)元作業療法士の、特別支援学校の教室整備 ~見て分かる工夫~」です。