こんにちは、雑賀孫市です。
今日は、肢体不自由特別支援学校の先生の中でよく行われている、またはよく知られている 指導方法を紹介します。
【はじめに】
ちょっと想像してみてください。 教員養成課程で、肢体不自由に関する情報は確かに教科書で見て、覚えたけれど…。
実際目の前にいるのは、車椅子に乗った子供たち、「さぁ、先生、お願いします。」と言われたら、 「どうしたらいいんだろう…。」となりませんか?
【指導方法、共通のツール】
教育法、指導法など、教員養成課程では「~に留意して指導する」「~を指導する」といったことを 学んできましたが、目の前の子供たちに何をしたらいいか分からない。 どうしたらいいか、誰か指導方法を教えてください、というニードが教員の中からでてきます。
【動作法(どうさほう)】
1960年代後半、成瀬悟策と大野清志は、脳性麻痺(CP)患者の身体の動きにおける不自由が催眠状態では覚醒時とは異なって軽減される事実に着目し、脳性麻痺による身体運動上の不自由を「誤学習」と捉え、意識的な再学習を行うことによってその不自由を改善することができると考えたもの。
指導者から行われる関節可動域へのはたらきかけを受け、本人が恒常化している筋緊張「慢性緊張」に気づいて主体的にリラクゼーションを行い、さらに適切な動作を再学習していく。 従来医療に大きく依存する状況にあった肢体不自由児の教育において「養護・訓練」領域における心理・教育的な指導法として受け入れられ、全国的に広まった。
動作法は実践の局面を重視して技法の開発や理論形成を試み、人間の心身のとらえ方に豊かな知見をもたらしてきた。 しかし他方で、学校現場、特に肢体不自由養護学校の「養護・訓練」のなかで機能訓練的な側面がより強く強調されて実践が行われ、このかかわりが身体の動きに関する主体的な学習過程であるという最も重要な側面への認識が希薄になり、技法ばかりが流通するようになってしまいました。
【静的弛緩誘導法(せいてきしかん ゆうどうほう)】
静的弛緩誘導法は、脳性マヒ児を中心とする動作の発達の遅れた子どもに対する動作の教育の基礎的な方法で、肢体不自由教育における指導の現場(筑波の桐ヶ丘養護学校、立川博先生)を中心とした、教育活動の中から生まれた指導方法になります。
お腹の中にいる赤ちゃんは手足を丸めていて、出生すると、腰→首→四肢→指先へと、内から外に発達していきます。それをふまえて感覚を入力したり、身体の動かし方を教えたりします。
【生活行為の意味づけ・価値づけ】
MTDLP:Management Tool for Daily Life Performanceという言葉があり、24時間365日連続する生活全般を見て、長期的な生活への見通しにつながるものを作ることが大切だ、と言われています。
リハビリテーション技士の治療、学校で行われている授業の取り組みについて、それらを行う理由は何か、それらを行うことで何が期待できるのか、対象者や支援者間で一緒になって意味づけ、価値づけをしていくことが求められるようになってきました。
そういった意味で、個々に深化してきた専門性がどこに向かっているのか、確認するいい機会かもしれません。
https://magomago1.org/teachercan1on1education2020-02/
前回のブログは「32)学校はあくまで集団で学ぶ場で、個別指導の時間はないと言えるのか?」でした。
https://magomago1.org/updatecareworkersknowledge/
次のブログは、「34)更新したくなったもの、ホームヘルパー2級」です。
専門性を高める、というより他職種のことを知ったり、知識を広げたりする視野を広げることに役立ちました。