こんにちは、雑賀孫市です。
今日は、知的の特別支援学校で見られる座り方について書いてみます。
【通常学校】
おそらく、多くの方がイメージする通常学校で児童・生徒が座っている姿は
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このような感じではないでしょうか。
このような並び方について、
長所
・たて、よこのラインが明確なので、配布物を配る時便利。
・規則的で、導線があるので、教員、児童生徒ともに移動しやすい。
・教員が全体を見渡しやすい。
・グループをつくるとき、人数分けがしやすい。
短所
・対教員の授業になりがち。
・児童生徒同士の交流がしにくく、学び合う空間がつくりにくい。
・教員の過剰な管理が起こりやすい。
教室以外で集まる時も、学年ごと2列にする、 椅子を並べて座るエリアを指定するなど、 バラバラにならないように、ある一定の基準を設けていると思います。
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【支援を要する児童生徒の場合】
教員が配慮する点について、以下のようなものがあります。
・立ち上がって、走る
・物を投げる
・たたく
・ける
・注意が持続できず、気の紛らわし方が分からない
・集団での授業でやっていることが分からず、気の紛らわし方が分からない ・頼まれていないのに、勝手に教員の手伝いをしようとする
・自分だけが、とにかく活躍したい
・教材をかき回す、机から落とす
・机や椅子を倒す
これらは主に、社会性、自己中心性や、ストレス耐性などに関係すると思いますが、 とにかく、忘れてはいけないのが、「教育課程を、安全に実施する」ミッションです。 なので、多少教員の人数が少なかろうと、動けない先生がいたとしても、その場を 完結させなければならないのです。
【ポジショニング】
教員と児童生徒が一同に会するとき、一緒に座ります。
どこに位置取りをするかは、児童生徒の実態と、教員の体力(敏捷性、筋力等)次第です。
なので、この先生がうまくやっているから、この方法がいいとは言い切れません。 人数比を考えると、ここまではなんとかなる、これ以上は無理、と状況に合わせてどこまで できるのか判断できるようになりましょう。
また欲を言えば、他の先生がどれくらいのゾーンディフェンスを敷いているか、 その守備範囲にウィークポイントはないか、見ることでサポートや配置入れ替えができるようになったら なお良し、です。 ①障壁がなければ、自由です。
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キーワードは、向き、壁、机、人、です。
そうして、立ち上がるには初動があり、頭を下げないといけないので、その分対応する時間ができます。
このような教員の付き方には人権侵害だ、児童生徒の思いを押さえつけている、といった批判があります。
その場にいながら、児童生徒を観察して、「この子は授業を聞いているのか、その場にいることができるか」 経験則と試行錯誤が大事なのですが、今どうするかは付いた教員の力量と人間関係が決めます。 打つ手がないときは上記のことを参考になさってください。
https://magomago1.org/differencebetweenschoolandmedical202002/
前回のブログは、「49)作業療法士だった私が学校に入って怒っていたこと」でした。
https://magomago1.org/morningmeeting202002/
次のブログは、「51)特別支援学校で行っている朝の会(決定学級での指導)」です。