学校の文化 担任の先生より OT・PT・ST

69)特別支援学校(知的)での子どもの体の使い方(運動・体育)の指導について②

こんにちは、雑賀孫市です。
先回の、特別支援学校(知的)で気づいた児童・生徒の体の使い方の続きを書きます。

【先回挙げた、気になる3つの特徴】
①背筋使いすぎ
②膝の屈曲、中間位が苦手
③上肢の中枢や体幹の弱さ
今回は残りの2つについてとりあげます。

【膝の屈曲、中間位が苦手】
寝ていることが中心の乳児期から、首を動かし、寝返り、はいはいをして、膝立ちをする…といったプロセスをたどる、というより、十分積み重ならないまま重力に抗して立ち、歩くことになった子供は、 重力に抗して立つ姿勢を優先的に学習することになります。

(事例より)
それが膝をぴんと伸ばしてつっぱるような立位につながっているかも、と思います。 この立位は極端に言うと、コンパスをたてたような感じで、歩くとき重心移動が体の中心をとおって右に左に移動するのではなく、右に足を出すので右足をつっぱりながら投げ出す、左足を出すので左足をつっぱりながら投げ出す、の流れになっています。

これについて、重心位置は常に真ん中にあるか、投げ出すかのどちらかにある感じです。 そのため不安定で、つっぱる膝のロックが解除されたり、足底接地がうまくいかなかったりすると、いつ転倒するか分からないです。階段でも、足の踏み場所を間違えると、そのまま前方に突っ込んで転倒しそうです。

【生活の中で歩行動作の質を高める】
そこで、2つ取り組みをしました。 (結果的に、膝の使い方が少しうまくなり、方向転換もスムーズになりました。)

歩行時ののハンドリング:
生徒の後方に立ち、肩や腰に手をあて、左右に移動する重心移動の流れと、  体幹のローテーションを少し使いながら歩くこと、この2つを機会をみつけてはやりました。  (今は、ある程度できるようになり、誰かを意識してついていくという課題設定に変わったので、 ほとんどやっていません。)

伸脚運動:
体育の準備運動で、片方の足の膝を伸ばすために、手を膝に当て、もう片方の膝に重心をかける運動がありますが、これを幅が狭いところから「段階づけ」をして、とにかく膝を少しでも曲げて屈曲位をキープする練習をしました。はじめはかがんだり、足を開いたりすることも受け入れられず、頭を上げようとするので、何度もアッパーカットを食いそうになりました。

片方に重心をかける

【上肢の中枢や体幹の弱さ】
先の生徒について、雑巾がけや、スタンダードな腹筋運動(シットアップ)もしましたが、身長の伸びもあって難しくなったこと、支援する教員の負担も大きいことから断念しました。 いずれにしても、上肢の中枢(肩回り)の安定を図るには、雑巾がけの他に、プレーシング(空間に手を伸ばして、空間で手を保持する)などの練習が有効で、腹筋運動などはブリッジなどを利用した運動を 続けていけば一時的にでも改善が見られるかもしれません。

姿勢保持、厳しい!

【最後に】
以前から、下積みが少なく立位・歩行を覚えてしまったとき、基本(乳幼児期から幼児期)から積みなおす練習がいいと思っていました。今回いろいろ考えてみて、よつばい位あたりから立位・歩行に進むのではなく、立位⇒膝立ち⇒よつばい位のように、段階的に下りていくほうが取り組みやすいかもと感じています。本当のところはどうでしょうか?今後もいろいろ試していきたいと思います。

今回、例としてあげさせて頂いた取り組みは、「所属する学年の動きを妨げず」、「教員間の貢献度を低下させず」、「自分の学級の生徒全員の状態を把握しながらできる」、「必要に応じて他の生徒の指導に移ることができる」「自分の力量の範囲でできる」という条件込みで考えたものです。このさじ加減は難しいですが、これが学校生活の中でOTの専門性を活用するために、知っておいた方がいい観点じゃないかと思っています。

http://magomago1.org/japaneseteacherjobmakingplan202003/
前回のブログは、「68)働き方改革!学校の先生が大変と言っている様々な書類、何を書いてるの?」でした。

http://magomago1.org/howmanyyearsateacherkeep202003/
次は、「70)元作業療法士の担任の先生より 特別支援学校担任の持ち上がりは何年がいいか」です。何年でしょうね。

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