医師・介護・看護 学校の文化 担任の先生より

101)特別支援学校のカルテ(個人情報)

こんにちは、雑賀孫市です。
今日は、特別支援学校のカルテについて書いてみます。
とは言っても、特別支援学校は病院などの医療機関ではないので、 カルテというものは存在しません。
(似たものは保健室にあります)

情報をまとめたものがカルテ

カルテのように、氏名や生年月日などが記載されているものは 校内のいろいろな部署がカギなどをつけて保管しています。

【初任の先生が必至こいて読んでいた個人ファイル】
年度が始まり、担当する学級が分かったところで、学級の子どもの情報を見て、 会うまでに準備しなきゃと思ったのでしょう。初任の先生がスマホで難しい用語を検索しながら 、個人ファイルを真剣に読んでいました。 そこには行動記録や保護者からの情報が載っていましたが、「主観的」な情報が多く、 その場で見たことを記録しているので、「根拠」や「客観性」に乏しいです。 そのため、参考にはなりますが、詳しいことは他の資料を見るか、実際に会って確かめます。

カルテは見るもの作るもの

【欲しい情報はどこにある】
特別支援学校にいる先生の中には、医学用語などが分からず、指導方法を求める傾向があるのは 「意識の問題」、「医学的知識を学んでいない」と指摘されることがありますが、「集めた情報がまとまっていないこと」も、必要なことを把握し、それを指導に反映するための手続きを難しくする一因だと思っています。

・支援部等(入学時にかかわる部署)⇒入学時の観察記録や聞き取りに関する情報
・スクールバス(生活指導)⇒通学に関する情報、希望調査の情報
・生活指導⇒ひとり通学に関する情報
・保健室⇒医師からの診療情報、リスク管理に関する情報
・担当部署⇒リハビリや心理士などの外部専門家の情報   
     注)自治体や学校によって取り扱い方が違います

どこにあるんだろう?

【なんのための情報収集か】
本来は電子カルテのように、部署ごとの情報を1つにまとめてしまえば、情報の漏れがなくなるのでしょう。

しかし、実際は縦割りで動いていて、個々のやりやすい記録や記録の保存方法があるので、なかなか難しいのかもしれません。

ファイルの中には医学的な専門用語など、理解しにくい情報があります。(学校も同様業界用語がある)
それらについて、個別に説明してくれる機会は設けられていません。なので、教えてくれる人が気をきかせてくれるか、自分から教えてーと言える人でないと、全容を把握することは難しいのではないでしょうか。

必要なこと
登校から下校までどう過ごすか見通しがもてること
やらなければならないことと、やってはいけないことを把握すること
書類を作るうえで、必要な情報はどこにあるか把握すること

【追記】
新年度が始まりましたが、今年度はコロナウィルスの影響があるので、まずは入学式に向けて必要な情報を揃え、実際に姿をみてから詳細な情報をつめていこうと思っています。 通常だと、入学式後に授業が始まり、給食指導も入ってくるので情報収集と学部内連携で大変になりますが、今年度はもう少し丁寧に準備できると思っています。

http://magomago1.org/howtoreadyaitemforlearning202004/
前回は、「100)特別支援学校の教材づくりについて」でした。

http://magomago1.org/letsmakeyourteam202004/
次回は、「102)学校用務員さんと協働してみよう!」です。いろんな連携の形を経験しましょう。