こんにちは、雑賀孫市です。
今日は特別支援学校に助言・指導等で来校するOT・PT・STを どう使い分けているか、書いてみたいと思います。
OT=作業療法士
PT=理学療法士
ST=言語聴覚士
特別支援学校に来校するOT・PT・STの方の目的は、
①特定の児童生徒の様子を見に来る
②特別支援学校の中はどうなっているのか見てみたい
③教員への助言・指導 などが挙げられます。
特に近年多くなっているのが③です。
【担任の先生と、リハの専門家の間に入るときやっていること】
・担任の先生には、無駄が減って、効果的なかかわりの引き出しが増えた、日々やっていることの意味が分かって自信がついた!などが感じられるようサポートします。
・リハの方には、専門性が発揮できるポイントを明確にして、相談内容に盛り込むようにしています。
【困っていること】
教員がリハの専門家に来てもらって、困っていることの一つを挙げます。
例えば
A教員:「今度の火曜日、PTの先生が来るんだけど、相談したいことがあるかなぁ?」
B教員:「え?PTでしょ、その人に相談できること、あるかなぁ…。」
担任の先生自身の問題解決ではなく、来校するPTは何をする専門職で、 その専門職に仕事をしてもらうためには、何を相談項目として挙げるか考えているのです。
OT・PT・STの専門性や住み分けって、臨床でも難しいと思います。
それを、担任の先生が、どんな質問をしてお迎えするか悩んでいるなんて、 なんて残念なんだろう、と思います。
来校したPT(あくまで例です、ごめんなさい)がきちんと話を 聞いてくれる人ならいいんですが、「この子の姿勢はね…。」 「こんな練習をすればいいですよ。」なんてことを誠心誠意おっしゃるのが 内情を知っているだけにイタいです。
外見上は質問表に記載されているし、それに応じたレスを返しているので コンサルテーションは成功に見えるのですが、実はPTというパズルにふさわしい ピースを担任の先生がはめ込んだだけで、本来のニードに行きついていないケースが あります。
以前、OT・PT・STにもいろんな人がいて、実は得意なものが人によって 違うことを察知している教員もいて、「学校と契約するときに、その人は何が得意か あらかじめ教えておいて欲しいなぁ。」という意見を聞いたことがあります。
それだけ、契約したOT・PT・STを活用すること自体が難しい、と思われているのです。
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【私的、特別支援学校に来校するOT・PT・STの使い分け】
私が相談者の立場になったとき、来校する職種が決められていなければ、 以下のような役割分担をざっくりですが決めて、協力してもらっています。
OT
・相談することが、何が原因かはっきりしないとき。
・指導方法について、別の方法はないか考えたいとき。
・対象児童生徒の全体像をざっくりととらえたいとき。
・愚痴りたいとき。
PT
・およそ原因は分かっているが、それを言語化するのが難しいとき。
・具体的に何についてアセスメント(評価)するか分かるけれど、評価するタイミングがないとき。
・動き方の特徴や、課題の原因が分からないとき。(初期評価的)
ST
・言語発達
・コミュニケーション全般
・摂食、嚥下
職種や人によって物事の捉え方が違う場合もあるので、同じ問いを それぞれの方に投げることもあります。 これによって、自分の評価に幅ができたりするので、そこはおいしいかなと思っています。
https://magomago1.org/arethereneeds2020/
前回のブログは「20)特別支援学校教員はリハビリの専門性を求めているか」でした。
https://magomago1.org/schoolstaffroom20200129/
次のブログは、「23)特別支援学校の職員室の中はどうなっているか」です。22は欠番になっています。すみません。