こんにちは、雑賀孫市です。
今日は、特別支援学校のなかでも、肢体不自由部門にいる子どもたちの空き時間について書いてみます。
【学校で見られる空白の時間】
登校してから、朝の会が始まるまで
授業と授業の合間
給食の前後
全校集会や避難訓練などの後
下校前の帰りの会が始まるまで
いつ空き時間がでるかは、知的の学校も同様だと思います。
ちなみに、学校の教育課程上、授業の間の5分はあっても「空き時間」のようなものはありません。
次の活動にうつるまでの空白の時間といいますか、教員が個別に支援を要する児童生徒についている間について、他の子どもはどうするか?という時間と考えて頂ければと思います。
【空き時間に教員は何をしているか】
肢体不自由部門の先生は、授業の合間にトイレ介助に入ることがあります。
また、次の授業の準備に入る先生がいたり、準ずる教育課程(通常学校の授業と、ほぼ同じことをする)の生徒の授業に行ったりする先生がいたりと、授業の合間は場が落ち着きません。
トイレや児童生徒の体調不良などで、授業開始の時間になっても、なかなか教室に戻ってこないことがあります。
そんななか、何をしているかというと、まずは車椅子に長く座っているから床に降りましょうと体を伸ばしたり、絵本を読んだりして場が落ち着くのを待っています。
連絡帳の記入をしたり、子どもへのストレッチなどをして一緒に待ちます。
【やったほうがいいと感じていること】
①授業は少しずつでも時間を決めて始めるべき
全員揃うまで待つ、総じて平等に始めることも大事かもしれません。
しかし、毎日動こうと思えば動ける状態の子どもを待たせ続けていいのかなと思っています。
知的障害部門の児童生徒と同様に、見通しをもち、メリハリのある生活を望む子どももいます。
気持ちが抑えられなくなって怒り始めると、今度は「友達のため」となだめられているのをよく見ました。
タイマーをかけて、「はい、次に行こう!」と気持ちを切り替えましょう。
遅れたら、途中からでも「お待たせ~」と入っていき、流れにのればいいのです。
②空白の時間に何をするか、決めておく
なんとなく過ごすのではなく、子どもごとに「毎日少しでもやったほうがいい引き出し」を2~3個常備したほうがいいです。できないときは仕方ないけれど、できる時にやろう、そんな積み重ねが1年の成果につながります。
③待つ時間にどんな意味をもたせるか
教材準備をする間、子どもと一緒にいることがあります。
「次は何の時間か、見ていて分かるかな?」
「頑張って準備しているから、応援してねー。」
「友達が戻ってきたら、交代でトイレに行こうね。」
こんな言葉かけだけでも、待つだけでない意味をもたせることができます。
健康管理を含めて、動きの量より注意深く観察する時間が長いですが、子どもごとに取り組むテーマ、登校している間にどこで休んで、どこを頑張るか決められるのは先生だけです。
決めた指導に振り回されず、一日を見渡して、「しなければならないこと」「したほうがいいこと」を並べ、毎日余力を残して有意義に過ごせればと思っています。
なんでもルーティン化して詰め込んで、やってさしあげることが専門的な指導であり、担任としての責任だと思われている先生もいますが、それは周りの児童生徒や教員を窮屈にさせ、運営上いろいろな迷惑をかけています。
何より「その子にかかわるのは難しい」と、いろいろな人を遠ざけ、多くの学ぶ機会を逃しています。