机上での課題は、一人で座って課題ができることが基本的な目標に近いところにありますが、型はめやパズル、色塗りなどを通して物の概念の基礎を学び、生活環境への適応やコミュニケーション能力などへと広げていくものと思っています。
今回、途中からねらってみて、うまくいった事例があるので書いてみます。
すでに丸や三角、四角などの型はめをクリアしてしまった生徒です。
まず、下の写真をご覧ください。
【取り組んでいるパズル】
右上:ごはんですね。日常的に見られるもので、それぞれ違うものです。
右下:バナナです。黄色一色で、上と下の区別がつくかなと設定してみました。
左上:かめさん。上から下に行くにつれて、大きいかめさんになっていきます。これが一番難しい。
左下:ドラえもん。組み合わせ方は複雑ですが、馴染みのものなので色や線に注意を向けできるようになりました。
【なかなかできない】
四つの中で、なかなかできなかったのが「かめさん」でした。
もともとパーツの隙間が大きく、ぱちん、ぱちんと組み合わさった感覚が得られにくいこと、枠に絵柄の一部があれば、つながりをもたせることができるのですが、それがありません。
元々、苦手だと思うと投げだしてしまう生徒なのですが、段階的にできなかったものができるようになってきた。
これも同類のパズルだから、できるはずと思ったのか、根気強く取り組むので、少しの支援を入れながら、完成させていました。
【きっかけ】
これは小さい(かめさん)
これは中くらい
一番下が、大きい。
これを繰り返して伝えていたのですが、言葉の手がかりとして、絵とのつながりが弱いなぁ…としばらく考えていました。
そこで、彼の家族関係を使うことにしました。
これはぼく(小さい)
これはお兄ちゃん(中くらい)
これはお父さん(大きい)に変えました。
すると、お父さんのかめさんのピースを見せてきたりして、下の方にセットする頻度が高くなっていきました。
そうして、毎日やっているうちに、言葉をかけなくても、自分で組み上げるようになりました。
知っているものと重なること、つながることって大事ですね。
余談ですが、これをしたらこれ、と覚えていたのに忘れていたことがあります。
つながりがあっても、記憶は消えることがあります。
キャパを超えそうなら、カードを並べたり、メモをとったりしていきたいと思います(大人も含め)。
https://magomago1.org/224whatispowerharassment202009/
前回は、「224)日本教育新聞より、「パワハラを受けた」と感じた先生はどれくらい?」について書きました。
https://magomago1.org/226wanttodoisnotalwaysgoodlearn202009/
次回は、「226)色と形、この場合はどっちが手がかりとして有効か?」について書いてみます。