あれは、肢体不自由部門の中学部1年生の担任をしているときでした。
次の年度に、誰がどこの学部・学級に所属するか。
発表されたとき、大きなショックを受けました。
【その年に担当した中1でしたこと】
その年に担当していた中学部1年生は指導しがいのある学級でした。
トイレのマナーが分からない、気分が高揚すると大声を出して自制できない、順番を守れない…。
話すことはできるし、手続きが分かればできるはずなのに、なんでこんな状態になるんだろう、と。
今何をする時間かはっきりする。
手続きを順番に並べて、1つずつ行うようにする。
気持ちが落ち着かないときは、「周りをみて」「大声を出すと(他の人が)びっくりするよ」と声をかける。
そんな至極当たり前の取り組みを1年間やってきて、次の年はやっと中学生らしい指導にシフトできると思っていたら…。
【ショックを受けたこと】
新年度の指導体制には、私は普通にもち上がるのではなく、隣のクラス(同じ学部・学年)に異動することになっていました。
学年は同じですが、教育課程(何をその年に教えるか決められたもの)は全く違い、一緒に組む教員も別の人、「私の自分自身も含めて積み上げたい、育てたい」という思いが崩れました。そうして、なかなかできると思っていた介助員さんは別の学校に行き、代わりにきた介助員さんは「よく居眠りをする問題児(ジジイ)」でした。
【引継ぎ】
新年度に向けて、前担任に「次にうけもつことになりました。リスクや留意点、指導目標でここはおさえたいといったことはありますか?」と聞いてみました。
その答えは「特に、ないです。」とのこと。
前担任が行ってきたのは、指導ではなくお世話だったのでしょうか。
せめて、急には言えないので、「あとで引継ぎ書類を作っておくから」といった言葉くらいは返して欲しかった…。
【教員として】
新年度も、前任者の尻ぬぐいとなりました。
異動になることは環境が変わると言うことで、働くうえで心理的に強いストレスがかかります。
せめて、何らかの文化や理念を引き継ぎたかったです。
仕事だからと割り切って、新年度も指導の型をつくり、保護者の信頼を得ることもできました。
が、虚しさが抜けず、また尻ぬぐいをさせられるかもしれない、という不安が強くて、他の学校に異動させてもらいました。
作業療法の専門性は環境の把握があってこそ価値あるものになります。
新しい環境適応を強いられる現場では、持ち味が活かせません。
それは常勤であれ、外部専門家であれ、同様のことで、なんとかならないものかと思います。
https://magomago1.org/267trainingchangingthesectiononeday202010/
前回は、「267)特別支援学校のあたらしい(新規採用)先生の研修」でした。
https://magomago1.org/269greetingisdifficultwhowhen202011/
次回のブログは、「269)特別支援教育に通う生徒さんから、いきなり後ろから挨拶されたら、どうします?」です。私は、そのとき何を考え、どうしたか書いてみました。