こんにちは、雑賀孫市です。
今日は、前に御紹介したパネルシアターの授業の続きになります。 実際に特別支援学校の授業でやったことと、そこで使った教材について書いています。
先回アップした、「今日の授業の流れ」です。
【なかまあつめ】
同じカテゴリのものを集める活動です。
まったく同じ絵や写真を合わせる「マッチング」ではありません。
そこから一歩進んで、カテゴリ化について学びます。
例)
電車の仲間⇒山手線、常磐線、中央線、西武線などの各路線の電車
ラーメンの仲間⇒とんこつ、しょうゆ、長浜などのラーメン
【なかまあつめの進め方】
①カテゴリー化する種類の数だけホワイトボードを先生が貼る。
②何の仲間を集める(何種類)か、教員が選ぶ。
③ホワイトボードのどこに、何のカードを集めるか、生徒が決める(1人1種類ずつ)
④生徒の席の端から1人1枚ずつカードを渡し、
生徒は手元のカードを見て、ホワイトボードに貼る。
⑤うまく貼れたら、次の生徒へ
⑥慣れてきたら、1人2枚や3枚にして、「振り分ける」こともします。
⑦教員の手元にあるカードがなくなったら、終わり。
⑧講評「~がたくさん集まりました」
【なかまあつめで学べること】
・席順の通りに順番がまわってくるので、「見通しをもって待つ」ことが学べます。
・みんなで集めることから、「集団」が意識できます。
・いつ(カードを受け取ったら)、何を(カード)、どうする(どこに貼るか決めて、貼る)、どうしたら終わりか(座る)のパターンの繰り返しなので見通しが持ちやすく、「手順に沿って物事をすすめる」ことが学べます。
・空と翼で飛行機だ、など、「物の特徴をとらえる」ことが学べます。
・手元のカードを見て覚え、ボードを見て判断する「即時記憶の活用の有無」が分かります。
・手元のカードを注意してみるなど、「注意や注視」を促します。
・空きを見つけて、カードで埋めることで、「集める」、「列挙する」ことが学べます。
【次のステップはどうするか】
カードを見て、判断して、貼ることができてきたら
・給食に出てくるもの⇒ごはん、パン、ラーメン、野菜、牛乳、ケーキ
・掃除道具⇒雑巾、ほうき、ちりとり、モップ、はたき
・ディズニー⇒アナ雪、アラジン、ターザン、ライオンキング
など、1つひとつの絵は違うけれど同じグループだね、という集合が形成できたらいいですね。
【追記】
この「すすめかた」や「学べること」をよく見てみると、どんな生徒が授業に参加しているか、どんな集団が形成されているか、見えてきませんか?シンプルに進む授業ほど、実態からずれていると全く機能しません。
http://magomago1.org/howtohavesomethinggood202003/
前回のブログは、「77)担任の先生(元作業療法士)がつくる、特別支援学校の授業~物をもつ支援の方法~」でした。
http://magomago1.org/griparmfeelpain202003/
次は、「79)担任の先生(元作業療法士)がつくる、特別支援学校の授業~手を放す支援の方法~」です。前の逆ですね。