こんにちは、雑賀孫市です。
今日は、1つずつの手続きをしないと落ち着けず、ミスが増える、という生徒の指導について書きます。
【生徒に関する簡単な紹介】
・焦るように、どもるように話す。
・話す内容は大人の受け売り、または同調を誘う内容が多い。
・トイレでは話しかけられると手が止まり、ミスが増える。
・移動は車椅子が主で、PCW(四輪歩行器)を使って歩くこともある。
【何が問題か】
①シングルタスクでも、安全安心に生活できる学校環境が作れていない。
例:大人がからかうように、すぐに話しかける。
ウケたと喜ぶようなネタ振りを大人が投げかける。
②シングルタスクでなく、できることから同時処理ができるような練習していない。
【支援したこと】
・大人からウケ狙いを誘う発問に対して、すぐに応じず自分で考えるよう指導した。
「自分でどう思うか、時間がかかっても、間違ってもいいから自分の言葉で答えてごらん。」
・トイレでは、極力無駄話をせず、手元の手続きを順番に遂行するよう指導し、転倒やこぼしてしまうなどのミスを減らしていった。
・PCWの歩行練習で、ペグをA地点からB地点まで運ぶ活動をしながら、途中一緒にいる職員(女性)と「しりとり」をする。⇒かなり楽しんでやっていた。
【結果】
・トイレでの失敗がなくなり、ズボンをあげながら会話の返答に窮して転倒する、といった危なっかしさが全く見られなくなった。
・自分の言葉を選んで話すことが増え、主体性が向上した。
・「~しながら」ができる場面が増え、生活全般的に少し余裕がでたようです。
【反省】
能力があるのに発揮できていない、意味もなく大人に依存する、他者と仲良くすることと生活習慣を確立することがごっちゃになっている、このようなケースを引き継ぐことが多いと感じていました。
小学部では生活習慣を身に付ける、中学部では集団生活を意識して、高等部では卒後の生活を意識して、などについて、個々によって取り組む段階や進度は違いますが、このへんは多忙ななかでも意識してやっていきたいと思っています。
ただ、彼はトイレが自立したということで、女性の先生が担任できるようになったということになり、翌年担任から外されました。
ADL(日常生活動作)だけでなく、「生き方」、「考え方」などにつながる学習も積みたかったのですが、残念でした。
https://magomago1.org/207driverandteacherssamecontradiction202009/
前回のブログは「207)テレビを観ていて、高速道路を走るトラックの運転手と教員が重なった。」でした。
https://magomago1.org/209happytalkisnotalwayshappiness202009/
次回は、「209)楽しいやりとりは、生きるために必要なコミュニケーション手段と一致するか」です。
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