学校の文化 担任の先生より

256)特別支援学校、歌で集まる。歌に頼らなくなる。

随分むかしのことになりますが、学校給食を食べる前に歌を歌っていました
「いただきましょう、残さずに」が最後のフレーズでした。

当時は、食べ物を粗末にするのはよくないということで、出されたものは全部食べるまで席を立たせない、というのがよくある光景でした。
だいたい残るのはいつも同じ子で、量が多すぎる、牛乳が嫌いなのに受け付けられない、が主でした。

給食のおもひで

それを指導していた担任の先生は時代が変わって偉くなり、教育委員会などで「人権に配慮した指導をお願いします。」などと訓示をたれるのですから、教育の専門性って何だろう?と思ったりします。

話は脇道にそれましたが、「歌」です。
【小学部低学年】
小学校1年生のときは、何かにつけて歌にして覚えたり、集団をつくって何かに取り組んだりします。

例えば、体の部位や、上から順番に、などは「あたま、かた、ひざ、ぽん」でいけます。
朝の会だと、「今日も きれいな朝だね~、おはよう~、おはよう~、おはよう~」などと歌います。

歌は言葉ではなく、音楽を取り入れる脳の部分を使ってとにかく頭に入れる、次はそれをじっくり取り出しながら意味づけをして覚えていく、という手順をふみます。


【小学部高学年~中学部】
小学部の高学年になると、歌も残りますが、リズムやテンポで行動にうつしたり、為すべきことを覚えたりします。例えば、朝の会の姿勢を確認するときは「手、足、背中、口を閉じて、これから、朝の会を、始めます」とリズムにのってやります。

そうして、中学部になると歌から言葉、サインなど単発で分かるものに移行していきます。

【歌について】
以前書いたブログで、音楽で合図をすることについて書きました。

3)特別支援学校で使える指導のヒント 音楽や音で見通しをもつ工夫
https://magomago1.org/soundandmusictellthemwhattodo/

これが合図さ~

しかし、歌は「見通し」や「概念の学習」だけでなく、どうも学部ごとの経営のあり方にも関係しているようです。

小学部は基本的概念を覚え、みんな一緒に行動する。
中学部ははじめと終わり、手続きを把握するためにサインなどを使う。
高等部はカードか言葉、端的に伝えて主体的に行動する。

発達段階は幅広いですが、学部があがるにつれ、音楽が少なくなっていく理由は、単に子供の実態に合わせて、楽しく過ごす、だけではない。学部相応の過ごし方に適応していくことにもつながると思いました。

順を追って、前へ

【余談ですが】
しかし、持ち上がりということで小学部低学年から高学年までついてきた先生、小学6年生から中学部1年生に持ち上がってきた先生が、「この子たちの指導はこうなのよ」と同じことをする場合があります。
うーん、小学部7年生にするつもりでしょうか。

今回は歌の意味だけでなく、持ち上がり担任のデメリットまで気づくことができました。

https://magomago1.org/255differeceofthewarehouseofsectionoftheschool202010/
前回は、「255)特別支援学校の教材庫の怪」ということで、学部によって教材庫の片付け方が違うというお話をしました。

https://magomago1.org/257importanceofreserchingtheway202010/
次回は、「257)校外学習の下見では活動の確認と導線の確認を両方やります。」です。